かしこく、インスリン

インスリン、かしこくはじめましょう。

ホーム ダウンロード
  • 糖尿病治療クイズ
  • 患者さん座談会
  • これから治療をはじめる方へ
  • 治療をしている方へ
  • 専門医のメッセージ
注射で血糖をコントロール
  • インスリンの働き
  • インスリンの種類
  • インスリン以外の薬
  • 注入器の種類
糖尿病と二人三脚
  • 低血糖の症状と対処法
  • 低血糖の予防法
  • 高血糖と糖尿病昏睡
  • シックデイ
  • 外食を楽しむ
  • 旅行を楽しむ
  • 災害に備える
  • 参考資料

旅行を楽しむ 治療をしている方に

インスリン注射を始めたら旅行なんて無理・・・、と思っていませんか?

イラスト

血糖値のコントロールが安定し、大きな合併症がなければ、インスリン注射を続けながら海外旅行に行くこともできます。しかし、楽しい旅行を成功させるためには、糖尿病と自分の治療内容について良く理解することと、十分な旅行準備が必要です。

まず旅行を計画する前に、あなたの体調が旅行に行ける状態か、必ずかかりつけの医師や看護師に相談しましょう。

旅行の準備

持って行くもの

飛行機マーク飛行機に乗る場合:
飛行機マークのあるものは必ず機内に持ち込みましょう。

あなたが糖尿病で、インスリン療法を行なっていることを証明するもの(糖尿病カードなど)

糖尿病カード

  • 万が一、低血糖で意識を失ってしまった場合でも、あなたが糖尿病の治療をしていることを周りの人に伝えることができます。
  • 国内線の飛行機内にインスリンを持ち込むときに、手荷物検査場で提示を求められることがあります。
  • 肌身離さず常に携帯しましょう。

インスリンと内服薬(のみ薬)のリスト(処方箋のコピーなど)

  • 旅行先の医療機関を受診することになった場合に、リストがあると医師に説明しやくなります。
  • もしも、事故や低血糖、糖尿病昏睡で医療機関に運ばれた場合に、インスリンと内服薬のリストを携帯していれば、あなたがインスリンを注射していることを知らせることができます。

医療品

  • インスリン、注入器、内服薬(のみ薬)
    ・故障や破損したときのために2本以上持参しましょう。
    ・破損や紛失したときのために予備の注入器も持参しましょう。
    ・ 未使用の予備用インスリンは、旅行先のホテルの冷蔵庫に保存することもできます。
  • 注射針
    ・必ず余分に準備しましょう。
  • 使用済み針入れ(耐貫通性の容器)
    ・耐貫通性容器に入れて、必ず自宅まで持ち帰りましょう。
  • インスリンを入れる断熱バッグ
    ・凍結したり、30℃以上で保存されると、インスリンの効力が変化するおそれがあります。
  • ブドウ糖、砂糖
    ・低血糖が起きたときのために、必ずすぐに取り出せる場所に携帯しましょう。
  • 補食としてのスナック
  • 常備薬
    ・風邪薬、痛み止め、整腸剤、胃薬などは、処方薬との飲み合わせを医師、または薬剤師に確認してから準備しましょう。
  • 血糖自己測定器と予備のバッテリー、試験紙 ※機内で使用する場合
  • 血糖測定用穿刺針、穿刺器具 ※機内で使用する場合
  • 消毒綿

インスリン投与量と血糖値を記録するノート
 ※機内で使用する場合

低血糖に備える

激しいスポーツには血糖管理計画が必要

旅先で、マラソンや登山などの激しいスポーツをする場合、補食の方法や血糖管理の方法など、あらかじめかかりつけの医師や看護師に相談しておきましょう。

楽しい旅行を続けるために、低血糖の症状や対処方法を確認しておきましょう。

旅行中は特に大切、足のお手入れ

糖尿病があると、小さな足の傷も潰瘍などの足病変になりやすいので、フットケアを念入りに行いましょう。

イラスト

旅行前に爪を切る

毎日足をよく洗い、目で見て触ってチェックする

色が薄めの靴下、足をしめつけない靴下を履く

深爪や傷をつくらないように注意し、清潔を保ちましょう。
色の薄い靴下は出血があったときにすぐにわかります。

足に傷をみつけたら?

傷をみつけたら、洗浄してから消毒し、絆創膏などで保護しましょう。
ばんそうこうは毎日交換しましょう。

もし大きな傷や、深い傷がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

くつの選び方

履き慣れている靴を履く
・つま先とかかとが覆われている
・つま先に丸みがあり、余裕がある
・靴底が厚い
・着脱しやすいマジックテープ、ファスナーがついている

体調不良(シックデイ)に備える

イラスト

シックデイとは?

体調が悪く、発熱、下痢、嘔吐などで食事が摂れなくなってしまった状態をいいます。

シックデイの対処についてかかりつけの医師や看護師と話し合っておく

内服薬やインスリン注射の注意点について、あらかじめ相談しておきましょう。

シックデイのときに食べられるものを持参すると良い

炭水化物や水分を補給できるように備えておきましょう。レトルトのおかゆなどを持参すると、滞在先で簡単に食べられます。

「シックデイ」に関する詳しい情報はこちら

荷物の盗難・紛失に備える

荷物の盗難や紛失は起こらないに越したことはありませんが、万が一の時に備えておくことは大切です。

イラスト

自分に必要なインスリンと内服薬の名前、処方量、投与回数及び時間を覚えておく

医薬品や処方薬リスト等紛失した場合、滞在先近くの医療機関で処方してもらうために、上記の必要事項を覚えておきましょう。

インスリンと内服薬は数箇所にわけて、別々の鞄に携帯する

できれば手荷物、スーツケース、同行者等に分けて携帯しましょう。処方箋コピーやインスリン、内服薬のリストは複数コピーをしておきましょう。

糖尿病カードと処方箋のリスト

  • 海外旅行に行く場合は、医師に糖尿病カードを書いてもらいましょう。
  • 長期滞在の場合、処方箋リストは、英語表記の一般名と、薬剤や製品ラベルの名前と一致した薬剤名、注入器名、注射針名が記載されているものを用意してもらいます。薬剤を紛失した場合に必要です。

国際線航空券の予約

インスリンを機内に持ち込むことを伝える

  • チェックインをスムーズに済ませるために、あらかじめ航空会社や旅行会社に伝えておくと良いでしょう。

飛行機の発着時間、目的地との時差を確認

  • 時差が3時間以上ある場合は、出発数日前からインスリンや内服薬投与の時差調整をしなければならないことがあります。確認して、事前にかかりつけの医師あるいは看護師に相談しておきましょう。

機内食の有無、配膳時間を確認

  • 航空会社によっては、糖尿病食を用意している場合があります。糖尿病食がある場合は、事前に予約が必要です。
  • 機内食が何時頃に配膳されるか確認しましょう。

通路側の座席を予約

  • インスリン注射のためにトイレに行くときや、飛行中に通路を歩いたり、身体を軽く動かしたいときに、通路側に座っていると他の方に気を使わずに済みます。客室乗務員にあらかじめ伝えておくとよいでしょう。

かかりつけの医師と事前に相談しておくこと

感染症対策、予防接種

問診

  • 渡航先によっては、旅行出発前に予防接種を勧められる場合があるので、確認しておきましょう。

時差調整方法(飛行機を利用する場合のみ)

  • 日本と渡航先の時差が3時間以上ある場合は、内服薬とインスリンの調整方法と機内でのインスリン注射量について相談しておきましょう。

シックデイルール

  • 発熱や嘔吐、下痢などの症状が出た場合の対処方法、インスリンや内服薬の調整方法について相談しておきましょう。

海外旅行傷害保険

海外の医療機関にかかった場合、小さな処置でも医療費が高額になることがあります。旅行中に体調が悪くなったときのために、保険に加入しておくと安心です。

疾病に関する応急治療・救援費用担保特約

通常の海外旅行保険は、糖尿病などの持病の予測できない悪化に伴う治療費は、補償対象外となります。

海外旅行傷害保険に加入する際は、持病の悪化に伴う治療費も補償の対象となる特約(疾病に関する応急治療・救援費用担保特約)が付帯されているものを選ぶとよいでしょう。

出入国の手荷物検査

出入国カウンター

航空会社や渡航先によっては、機内持ち込み手荷物のチェックが厳しくなっているところがあります。

糖尿病カードをすぐ出せるようにしておく

インスリンや医療品を機内に持ち込むため、手荷物検査場で提示を求められることがあります。

インスリン、注入器、注射針は、製薬会社や製造会社の箱や袋に入れておく

外国人の職員が、糖尿病カードや処方薬リストと照合できるようにしておくと、
自分ですべて説明しなくて済みます。

飛行機内での過ごし方

水分を多めに摂る

機内01

飛行中の機内は、非常に乾燥しているため脱水になりやすい環境です。身体が脱水になると、血栓症(血管の中で血のかたまりができて血管が詰まってしまう)が起こりやすくなると言われています。脱水を予防するために、お水やお茶をこまめに摂りましょう。

アルコールは脱水症状になりやすいので避ける

飛行中の機内は気圧が低いため、地上よりもアルコールに酔いやすくなります。また、利尿作用もあるため脱水になりやすいので避けたほうが良いでしょう。

1~2時間毎に席を立って軽い運動をする

機内02

深部静脈血栓症(ロングフライト症候群)と呼ばれる血栓症を予防するために、1~2時間毎に通路に出て、手足を動かすなど軽い運動をしましょう。

機内03

ブドウ糖や捕食は、着席したままでも手が届くところに置いておく

頭上の収納に入れるとシートベルト着用サインが点灯しているときや、低血糖で力が入らないときは取り出せないので、常に手の届く範囲に置いておきましょう。

インスリン注射

機内05

  • 自分の機内食が配膳されてからインスリンを注射しましょう。急な気流の変化で、配膳が中断されることがあります。インスリンを注射してしまってから配膳が中断されると、低血糖になるおそれがあります。
  • 必ず空打ち(試し打ち)をしましょう。
  • 針を注射直前に装着し、注射後すぐにはずしましょう。針を注入器につけたままにしていると、気圧の変化によりカートリッジ内に気泡が混入したり、インスリンが漏れ出ることがあります。
  • 使用した針は、必ず持ち帰りましょう。使用後の針を前の座席のポケットに入れたり、ゴミ箱に捨ててしまうと、他のひとがケガをするおそれがあるので絶対にやめましょう。

食事と水

食べ方を工夫する

日頃から、自分の食事療法における指示カロリーで、炭水化物、脂質、たんぱく質のエネルギー量(kcal)が目分量でどれくらいか、把握しておきましょう。
海外旅行では、日本での通常の食事と、食事内容も味付けも大きく異なることが予想されます。疲労や睡眠不足も加わって、旅行中は血糖値が高くなりやすいこともありますので、食べ過ぎない程度に食事を楽しみましょう。

生水は飲まずにペットボトルの水を飲む

ペットボトル

海外の水道水は、日本の水のように、飲料水に適した水とは限りません。
感染性胃腸炎を防ぐために、生水や氷の入った飲み物は飲まないようにしましょう。
脱水を起こさないように、水分をこまめにとりましょう。医師より水分制限の指示がある場合、その指示に従いましょう。

体調不良、荷物の紛失・・・、海外でのトラブルに備える

現地の大使館の連絡先を調べておく

海外で、どこの医療機関にかかればよいかわからない、荷物が紛失した、など困った状況に遭遇した場合、大使館に連絡すると情報提供支援を受けられます。

外務省 海外安全ホームページ

持ち物チェックリスト

リスト

▲ページトップへ

Copyright (C) 2011 Becton, Dickinson and Company. All Rights Reserved.

BD